
全5話
今回ご紹介するのは、湊かなえの原作をドラマ化した「贖罪」です。WOWOWのドラマW枠で放送されていました。
東京から転校してきた小学4年のエミリが、仲良しだった4人の女の子と遊んでいた時に、声を掛けてきた男に殺されるという殺人事件が起こります。
物語は、生き残った4人の15年後を1人1話で描いていて、最後がエミリの母親の全5話からなっています。
配役を書きますと。
・第1話 蒼井 優
・第2話 小池栄子
・第3話 安藤サクラ
・第4話 池脇千鶴
・第5話 小泉今日子
それぞれが15年後、事件のトラウマを抱え、事件の呪縛に囚われています。
1話1話の完成度がかなり高いです。
黒沢清監督
監督は、「CURE」や「回路」を撮った黒沢清監督です。
※「CURE」も是非紹介したい作品ですので、機会があればご紹介いたします。
この「贖罪」もドラマで制作したにもかかわらず、劇場で特別上映され、第69回ヴェネツィア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門にて、再編集版が正式招待作品として上映、同年のトロント国際映画祭、サン・セバスチャン国際映画祭、釜山国際映画祭、ナント三大陸映画祭でも上映されています。
佐久間奈々さん失踪事件
先ほど、このドラマの触りの部分を書きましたが、5人で遊んでいるところに、1人だけ呼ばれ事件が起こります。
現実でも、このドラマと同じような事件が起こっています。
1991年、当時中学生だった佐久間奈々さんが何者かにさらわれると事件が発生します。
1991年10月27日、佐久間奈々さんの自宅で同級生3人とお泊まり会を開き、4人は楽しんでいました。
奈々さんの母親はスナックで働いていたというこもあり不在でした。
そして午前0時過ぎ、全員で夜食を買いにコンビニに出かけます。
今では24時間営業のコンビニは当たり前ですが、30年も前だとそんなに件数もなかったのでしょう。自転車で30分ほどかかる場所まで出かけたそうです。
いきは良い良い、帰りは怖いではないですが、無事店に辿り着き、食糧を買い再び帰路につきました。しかし、帰り道で思いがけないことが起こります。
佐久間奈々さんが、前日の台風の影響で倒れていた木に接触し転倒してしまいます。
その時の詳しい内容はわかりませんが、しばらくそこでどうするのか全員で話をしていたそうです。
そこへ、通り過ぎた男がいきなり振り返り「お前ら何やってるんだ!」とどなってきました。
驚いた彼女達は、一瞬で凍りついたことでしょう。
男は補導員を装い、「こんな時間に出歩いていると犯罪になる。本当なら警察に連絡するところだが、話を聞くだけで許してやる」言ったそうです。
そして「お前が代表でついてこい」と、男は佐久間奈々さんを指名しました。
そして他の3人には「お前達は帰れ」と言ったそうです。
男がなぜ佐久間さんだけを指名したのかは、犯人も捕まっていませんし、佐久間さんも見つかっていませんので謎のままです。
友達は仕方なく家まで戻ります。しかし、佐久間奈々さんが鍵を持っていたため中にも入れず、だんだんと不安が募っていきます。
やはりおかしいと思い親達に連絡をし、午前4時20分警察に失踪届けを出しています。
それから30年あまり、いまだに行方は分かりません。
友達の3人は、かなり近くで犯人と思われる人物を見ています。それは、失踪を知らせるポスターにも似顔絵入りで載っています。かなり正確に人物の風貌や服装についても語っています。
これ以上のことは、憶測になるので記載はしませんが、「贖罪」を見た時に思い浮かべた事件でした。
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