
今回おすすめするのは、クリストファー・ノーラン監督の2020年に公開された「テネット」です。
ノーラン節が効いた難解な映画となっていますが、難しいことは抜きにして楽しむことができる映画ですが、Netflixなら何度でも見られますので、観た後色々考察して再度観るのもいいかもしれません。
「インターステラ」の記事の中でも書いていますが、理論物理学者のキップ・ソーンという学者に時間と量子力学についてアドバイスを受けたそうです。
詳しい内容は省かれていますが、物理学が証明する「時間」の概念とは何なのか、「インターステラ」を見た時も考えさせられましたが、クリストファー・ノーラン監督はかなり細かく設定しているものと思われます。
2021年9月13日現在Netflixで視聴できる映画になっていますのでご了承ください。
メメント

「メメント」というクリストファー・ノーラン監督の代表作がありますが、この映画も非常にややこしく、一度観ただけではなかなか理解に苦しみます。
記憶が長続きしないという障害を持つ主人公は、ポラロイドカメラで撮った写真とメモ書きだけが頼りです。
映画を観るものは、この主人公の視点で進んでいく物語を見せられ、時折挟まれる白黒の回想シーンで徐々に物語を把握出来ます。実は白黒シーンだけをみれば本来の時間軸で起こったことがわかります。
あまり書くとネタバレになって、これから観る方の楽しみを奪うといけませんので、これくらいにしておきます。
アレックス
「アレックス」というフランスの映画は、「メメント」とは違って、映像自身を監督が逆から見せています。つまり現在から過去に進んでいきます。
監督は「クライマックス」の記事でも紹介しているギャスパー・ノエです。
音楽はダフト・パンクのトーマ・バンガルテルが担当しています。
未来がどうなるのかを見せて、それに至る過程を映像化していくというものですが、時間は元に戻せないというのがコンセプトです。
※この映画はNetflixで配信しておりません。
テネット(TENET)あらすじ
主人公(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、ウクライナのキエフにあるオペラハウスでCIAのスパイ救出作戦に参加していました。
主人公は、スパイの救出には成功するもののロシア人に捕らえられ自決用のカプセルを飲んで自殺をはかります。しかし、そのカプセルは睡眠薬で、これら一連の作戦は主人公の適正をはかるテストだと聞かされます。
そこから、主人公は第三次世界大戦を防止するという壮大な使命を負うことになります。
ルール
「テネット」は時間の逆行がテーマですが、題名の「TENET」は、日本語のでいうところの「たけやぶやけた」みたいな、前から読んでも後ろから読んでも同じという回文が使われています。
過去を変えれば未来が変わるという、これまでもよく取り上げてきたタイムパラドックス系の映画になります。「TENET」は前から読んでも後ろから読んでも同じという意味を含んでいますが、前からと後ろからと、同時に進むことによって世界を変える話になっています。
タイムパラドックス系の物語には一瞬で過去に戻るものが多いですが、「テネット」はより理論的なルールがあり、そのルールに沿って時間が逆行している世界を描いています。
逆行の世界は、通常の世界の概念から逸脱しており酸素呼吸ができず、酸素マスクが必要になります。
時間の逆行を行うには、世界にいくつかある特殊な回転ドアを潜る必要があります。順行・逆行のいづれかの自分が回転ドアに入るのを見届けて、自身も回転ドアに潜る必要があり、分かり易くするために赤色が順行状態の部屋、青色が逆行状態の部屋となっています。
順行・逆行を同時に行う作戦で部隊は、それぞれ腕に赤色・青色の腕章を付けています。
ドラえもん
これまでもタイムリープ物の記事は沢山書いてきましたが、その中でも「僕だけがいない街」の中でドラえもんのことを書いています。
「ドラえもん」は、ご存知勉強机の引き出しの中がタイムマシンとなっていて過去にいったり未来にいったりできます。
ガラスを割った犯人をタイムマシンで探しに行くという話がありました。
「未来から来たドラえもんとのび太」は、ガラスを割った犯人を草陰に隠れて待ちます。そこに「過去ののび太が」現れるのですが、「過去ののび太」はその時草陰に隠れている不審な人物を見ています。最終的に「未来から来たのび太」が投げた石によってガラスが割れていたのですが、「過去ののび太」が見た不審な人影が犯人だったのです。
「テネット」でもこれと似たようなシーンが沢山出てきます。
一度観ただけではなかなか全てを理解することができませんが、何回か観たら理解できるのか?と言われるとそれも疑問ですが、Netflixなら何回も観られますので、ゆっくり観直したいと思います。
「テネット」を観てクエンティン・タランティーノも「もう一度観る必要がある」と言っています。

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