
今回おすすめする映画は、管理人の好きな監督のひとりクエンティン・タランティーノが監督・脚本を務めた「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」です。レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという2大スターが初共演した映画ですが、個人的にはブラピの映画だと思っています。
2021年6月20日現在Netflixで視聴できる映画となっていますのでご了承下さい。PG12となっています。
シャロン・テート殺害事件
Netflixオリジナルドラマ「マインドハンター」の紹介の中でチャールズ・マンソンのことは触れていますが、1969年に映画監督ロマン・ポランスキーの妻で俳優のシャロン・テートがチャールズ・マンソンの指示で信者たちに惨殺されてしまいます。この事件が映画に深く関わってきます。
チャールズ・マンソンは「ファミリー」という名でコミューンを作り、世代背景を利用してヒッピーの指導者としてドラッグなどを使い犯罪組織を作り上げていました。
チャールズ・マンソンの生い立ちはというと、売春婦をしていた16歳の母親からいきなり育児放棄を受け、5歳の時に母親が逮捕され、12歳で孤児院に預けられています。決して良いとは言えない幼少期を送り、結局自身も犯罪を繰り返していました。
その頃の人格形成が後の行動に影響を与えていると思われますが、サイコパスであったとも言われています。
タランティーノがこのマンソンのことをどう思っていたのかわかりませんが、実際とは違う世界線を描いていることは、ある意味タランティーノのメッセージなのかもしれません。
実際の事件を扱った映画はありますし、タランティーノはドキュメンタリーではなく、あくまでも映画を撮りたかったんだと思います。
1960年代のアメリカ
1960年代のアメリカというのは歴史的にも色々なことが起こっています。
- 1962年 マリリン・モンローが死去
- 1963年 ケネディ大統領暗殺事件
- 1964年 東京オリンピック開催
- 1965年 アメリカが北ベトナムを空爆、マルコムXが暗殺される
- 1968年 キング牧師が暗殺される
- 1969年 8月8日シャロテートが自宅で惨殺される、8月15日~18日ウッドストック・フェスティバル開催、12月6日 ローリングストーンズがフリーコンサート開催。死者を出したオルタモントの悲劇が起こる
ベトナム戦争が泥沼化して、反戦運動が盛んになり、アメリカを中心にヒッピー文化が流行っていました。ウッドストックには40万人のヒッピーや若者が反戦を掲げ集まったと言われています。とは言えウッドストックは規模と観客数から比べればかなり平和的に終わっています。しかし、年末に行われたローリング・ストーンズのフリーコンサートでは殺人事件が起こっています。
この時、オルタモントの観客は20万人とも50万人とも言われています。映像にも残っているので見られた方もいると思います。当初から観客はドラッグやアルコールでハイになっており、集団心理も働き制御できる状態ではなかったと言われています。ひとつの時代の終わりに起こった悲劇として語り継がれています。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」はハリウッドの時代の流れで取り残されていた俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と、彼の親友で専属のスタントマンのクリフ・ブース(ブラッド・ピット)を中心に当時のハリウッド界を描いています。アクションスターのブルース・リーも出てきますが、クリフ・ブースとの絡みは見ものです。
そんな1969年のロサンゼルスをタランティーノは見事に映像にしています。
ロサンゼルスの区画を止めて、当時の車を走らせ、CGを使わずにその時代を再現したそうです。
そして、どことなくハードボイルドチックなブラピがとても格好いいです。
ブラピがヒッピーの女の子を車に乗せ会話をします。それから彼らのアジトに行ってからのプラピの一挙手一投足はほんとにハードボイルドです。
サントラ
当時の音楽がいいところで流れてきますが、最後の見せ場にかかる、キープミーハンギングオンのクエンティン・タランティーノ・エディットがとても良いです。
タランティーノ自らが選曲したという音楽は、1960年代のアメリカのミュージックコンピュレーションとしても秀逸です。
クエンティン・タランティーノ自らマスタリングをしているというサントラはそれだけでも聞く価値は十分にあります。
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